吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011 ~ born-again~ 大宮

12/20(月)大宮ソニックシティホール

レポじゃないけどネタバレあります。

不思議に印象的なライブだったので、ごく個人的な、とりとめのない感想を。




セトリは千葉以降と同じ。

まず、あれね。
『母いすゞ』の、「かれこれもう十何年と音沙汰がない」「父ジャンとは 父ジャンとは」から、吉井和哉が首を吊るジェスチャーをするあたりの照明も含めた一連のシークエンスはもう、一つのアート。美しくて禍々しくて戦慄する。

仙台、千葉に続いて今ツアー3本目のライブ。春の中止になった大宮公演は友人がチケットおさえてくれていましたが、今回は当初チケット取ってなくて、でも仙台と千葉がすごく良かったから、やっぱり行こうと思ってゲット。2階下手4列目の端、前に張り出した部分だから見晴らしもいいしけっこう近いし良い席だった。

しかし、ぶっちゃけ喉の調子が良くなかったのか、「HATE」とか「ダビデ」とかいいところで声がひっくり返るし、ほかにも喉がつらそうなときや、歌詞間違いも多くて、そういう意味での完成度はあまり高くなかった。(まあ、吉井和哉のライブの真骨頂はそういうところにあるわけじゃないことはわかったうえでね)その点では自分が行ったなかでは千葉がすごくよかったと思う・・・けど、仙台が良くなかったわけじゃなくて、単に自分も一発目だし、ステージに近かったからもろもろ興奮状態だったので、全体としては見ることができていないというだけです。

ただ、大宮はそういう欠点も含めてすごく印象的だったし、結局のところはすごく良いライブだった。

一つには、個人的なことだけど、「LOVE & PEACE」で久しぶりに泣いた。もちろん、毎回感動はしてるんだけど、涙が出たのは、震災後初めて京都会館で聴いたとき以来だった。その前のMCでね、「前回のツアーで各地でもらったパワーをもって、仙台には行ってきたけど、まだまだ福島とか岩手とか、行きたいところ(行かなければならないところ?)、自分の歌を待っていてくれる人たちがいるので」と言っていたのにぐっときた(吉井ちゃんも泣いていたみたいだけど)。これまで、東北とか東日本とは言っていても、具体的な地名を出すことは(少なくとも私が行ったライブでは)なかったので。私の場合は、もうずっと、福島の圏内に残された動物たちのことを考えていて、『Born』を初めて聴いたときに一番に思い浮かべたのが圏内の動物のことだったので、なおさらだったのかもしれない。

それと、アンコールの『星のブルース』。音源ではすごく好きな曲なんだけど、これまでのところライブで聴いても今ひとつ響かなかったのが、大宮ではその前のMCで売れない頃に埼玉にはよく来ていた、ラブホテルに行くお金もなくて、みたいなことを言っていて、あとお父様が亡くなったのも埼玉だったとか、そのあとで歌い出したこのダメ男の歌にはいつも以上に魂がこもっているような感じがして、すごく良かったな。

なんか、そういう一つ一つが、切ないような嬉しいような哀しいような可愛いような、ザッツ吉井みたいな瞬間で、えも言われぬ大宮ライブでした(意味不明)。

あと、これで3回聴いたけど『煩悩コントロール』が好きすぎる。仙台でMさんが『Tactics』みたいな、と言っていたけど、ああいうやるせなさ、セクシーさも確かにあるし、歌謡曲っぽいキャッチーさもあるけど、とにかくこの曲は映画にしろ何にしろ、「終末もの」の挿入歌にしたらすごくハマると思う。新版ブレランの主題歌にどうでしょうか(笑)>リドスコ先生


などと、これを書いているいま、ちょうど吉井城ホールの真っ最中ですが。
私は、あとは28日の武道館を残すのみ。例年、いろんな想いが交錯する日だけれど、今年はさらに特別な一日になるでしょうね。みんなでこの日に武道館に集結するのも今年で6回目。あと数日だけど、無事に迎えられますように。